室町幕府将軍の庭園跡か、巨大な庭石発見 「応仁の乱」前の栄華伝える

 室町幕府の将軍邸「室町殿」(京都市上京区)の発掘調査で、15世紀中ごろに築かれた庭園の巨大な景石群が見つかったと、市埋蔵文化財研究所が10日、発表した。景石は長さ3メートル近い巨石を含む8個が並び、景観のための滝組を形成した。8代将軍・足利義政による造営とみられ、応仁の乱前の「花の御所」の栄華をしのばせる。

 調査地では、庭の池が北から西の縁に、陸部が西から東へ広がっていた。景石は池岸に沿って並び、最大長が2・75メートルに及び、重さでは最大で9・8トンに達したと推定される。7個を組み合わせ、0・5メートルほどの高低差も設け、寺院にあって水を用いずに滝のような流れを表す「枯滝」をつくり出していた。

 陸部は、元々池だったところを粘土質の土と砂礫を交互に突き固めて1メートル近く盛り上げてあった。造成土から15世紀中ごろの土器が出土し、義政期の造営を示している。

 一方、庭園跡は景石が16世紀前半の土器とともに、埋土に覆われており、この時期に廃絶したとみられる。調査地は、最も広い時期の室町殿(東西120メートル、南北210メートル)の南東部に当たる。義政造営後の15世紀後半に起き、自らも関わった応仁の乱を経て、将軍邸の南側が荒廃していったさまを示すという。


室町殿の庭園跡で見つかった巨石を含む景石群。足利義政による造営とみられる(京都市上京区)
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2020年4月10日 17:00 京都新聞