キャンプ場「コロナ疎開客」お断り…「住民らの健康に代えられない」
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200412-OYT1T50074/
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、佐賀県内や長崎県など緊急事態宣
言の対象地域ではない地域のキャンプ場で、利用者制限や自主休業が相次
いでいる。対象地域の福岡などからの“コロナ疎開客”の増加が見込まれる
ためだ。関係者は「周辺住民や従業員らの健康には代えられない」と理解を求めている。
 「予約がいっぱい入っていたのだが、仕方ない」。11日昼、佐賀市富士町
の県営北山キャンプ場。例年、この時期は大勢の家族連れらでにぎわうが、
閑散としていた。キャンプ場の男性管理人(67)は残念そうな様子。一方、同
市内から会社の同僚と訪れた利用客の男性(24)は「人が少なくて驚いた。
県外客の利用を断っていると聞き、感染のリスクは低くなるのかなと少し安心した」と語った。
 県は北山、波戸岬(唐津市鎮西町)の両キャンプ場について、5月6日まで
県外客の受け入れを中止している。県によると、両方とも8、9割が福岡から
の利用者。ゴールデンウィーク(GW)を中心に週末はほぼ予約で埋まってい
たが、全ての県外客に断りの連絡をしたという。
波戸岬キャンプ場では、緊急事態宣言が出るまでは、例年の1・5倍程度で利
用客が増えていた。施設の管理責任者(37)は、感染拡大による緊張が続く中、
リラックスするために訪れる人が多かったとみていた。加納さんは「これから利用
者数が減少するのが心配だ」と不安げに話す。
 長崎県西海市の四本堂しほんどう公園も、今月10日からキャンプ場の利用を休
止。市によると、同公園を含む市内3か所のキャンプ場の3月の利用者は、前年の
同じ月に比べて約30%増の約1500人。四本堂公園は3割が福岡などの県外客だ
った。「広い空間で人が密集していない」と人気で、今月の土日はほぼ予約で埋ま
っていた。GW期間も約50区画が埋まり、キャンセル待ちとなっていたという。
 しかし、感染者は各地で急増。福岡も緊急事態宣言の対象地域になり、西海市は5
月6日までの休止を決定。市の担当者は「普段なら喜んで受け入れるのだが……」と苦渋の表情で語った。