https://r.nikkei.com/article/DGXMZO57967480S0A410C2EE9000
年金支給の15日、受給者に来店分散呼びかけ 信金など
新型コロナ対策で「3密」避ける

新型コロナウイルスの影響が深刻になってから初めての年金支給日を15日に控え、金融機関が高齢者の「3密(密閉・密接・密集)」を避ける対策をとる。来店日の分散を呼びかけたり、店頭でプレゼントを渡すことをやめたりする。来店客が集中すると感染拡大のリスクが高く、金融庁も防止策の徹底を求める。

信用金庫などでは年金支給日やその翌日に、高齢者が店頭に集中する傾向がある。「2カ月に1度の年金支給日が楽しみで、必ず当日に引き出しにいく」(千葉県の70代女性)という利用者は少なくない。金融機関は「3密」になるリスクに神経をとがらせるが、来店を断るのは難しい。

福岡ひびき信用金庫(北九州市)では、店頭ポスターやホームページで来店日の分散を呼びかけている。15日は店内の職員の配置も見直し、来店した人が一定の間隔を空けて座るよう案内する。

ある東京都内の信金は「通常は年金支給日から月末まで渡しているプレゼントをやめた」と話す。静岡県内の信金もプレゼントを受け取れる期間を支給日当日から通年に変え、金融商品の営業も控える。「多くの信金が来店の集中を避けるため対応している」(全国信用金庫協会)

金融庁は10日、全国銀行協会や全国信用金庫協会などに対し、年金や給料の支給日など「来店者が特に集中することが予想される特定の日」の感染防止策の徹底を求めた。高齢者がホームページなどを見ていないことを想定し、家族からの注意喚起も要請している。

2020年4月13日 5:00