12日から13日にかけて流れ込んだ強い寒気の影響で低温に見舞われた庄原市は、季節外れの積雪となり施設が倒壊するなどの被害が発生した。14日早朝も気温が低い見込みで、関係機関などは農産物の管理に注意を呼び掛ける。

 標高600メートルの同市高野町和南原地区では、ホウレンソウを生産する林満博さん(69)のパイプハウス4棟、約5アールが倒壊した。林さんは4月上旬にビニールを被覆し、7日と11日に種をまいたばかりだった。13日は早朝から近隣の協力で、倒壊を免れたハウスの除雪作業に追われた。

 林さんは「暖冬で順調に作業ができていた。この時期の雪でまさかつぶれるとは思わなかった」と落胆する。圃場(ほじょう)には、25センチの積雪があり、JA庄原の職員と対応を協議した。

 13日正午現在で、JAにはハウス6棟(約9アール)などの被害が報告され、調査を急いでいる。JAの瀬尾範芳専務は「部会や関係機関などと連携し、生産意欲が減退しないように農家を支えたい」と話す。
https://www.agrinews.co.jp/p50543.html