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イラン 経済活動を一部再開 懸念の声も 新型コロナウイルス
2020年4月19日 6時50分新型コロナウイルス

中東のイランでは、新型コロナウイルスに感染し、死亡した人の数が5000人を超え、中東で最多となっています。一方で、イラン政府は感染拡大の勢いは弱まっているとして経済活動の一部再開を認め、感染が再び広がらないか懸念する声もあがっています。


イラン政府によりますと、新型コロナウイルスに感染した人は8万人を超え、これまでに5031人の死亡が確認されています。1日当たりの感染者数は18日の時点で、ピークだった先月下旬の半分以下の1300人余りで、イラン政府は感染拡大の勢いは弱まっているという認識を示しています。

こうした中、首都テヘランでは18日から、企業や中小の商店の活動再開が認められ、中心部では通勤する人の姿が多くみられたほか、一部では渋滞も起きました。

感染した患者の治療にあたる医師からは「活動が通常に戻っていけば感染の第2波が起きる可能性がある」と懸念の声もあがっています。

一方で、イラン政府は「感染拡大のリスクが高い」としてショッピングセンターやスポーツジム、劇場、それに学校などの再開は認めていません。

イランは、アメリカによる制裁の影響で、インフレ率が30%を超えるなど感染拡大の前から経済が低迷しています。イラン政府は「経済活動を停止し続ければ、400万人以上が失業する」として、経済活動を段階的に再開させたい考えですが、感染者が増えれば再び制限する可能性もあるとしています。