全国紙の政治部記者は首相の対応をこう語る。「安倍政権は危機対応に強いと見られてきたが、いざ非常事態を迎えると思ったほどでもなかった」。

危機対応で思い出すのは、2011年3月の東日本大震災だ。当時の民主党政権は菅直人首相と枝野幸男官房長官のコンビで、
野党だった自民党は原発事故の対応などに「後手後手の対応」「菅政権は迷走している」などと猛批判を展開した。
その急先鋒の1人が安倍氏で、同年5月20日付のメールマガジンには「菅総理は間違った判断と嘘について国民に謝罪し直ちに辞任すべき」とつづった。
原子炉を冷やすための海水注入をめぐる記載に対し、菅元首相が損害賠償などを求めた訴訟は菅氏の敗訴が確定したが、
安倍首相は事あるごとに「悪夢のような民主党政権」と批判してきた経緯がある。

19年2月の自民党大会では「12年前の参院選で惨敗し、悪夢のような民主党政権が誕生した。
決められない政治、経済は失速し、後退し、低迷した。あの時代に戻すわけにはいかない」と声を張り上げた安倍首相。
だが、これまでのコロナウイルス初期対応を見る限り、期待感もあった分、失望感への反動は保守層でも大きかった。

「7年以上も政権を担っているのに、いまだ民主党政権時代の失態を取り上げるのは不毛。
今や経済状況も心配されているのに、国のトップとして非常事態をどう乗り越えるのか具体策が聞こえてこない」(民放政治記者)

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https://president.jp/articles/-/33966