新型コロナウイルスの感染が福岡県内で初めて確認され、20日で2カ月になる。感染者は3月末から急増し、18日までの累計は502人。範囲も福岡市や北九州市の政令市だけでなく、県内各地に拡大。年代別では50代以下が7割を占め、20〜30代の若い世代も目立つ。感染経路不明者は全体の半数を占め、クラスター(感染者集団)の発生も相次ぐなど、警戒が必要な状況が続いている。

 県内では2月20日に福岡市で2人の感染を初めて確認。その後は散発的に確認され、3月30日まで「一日」当たりの発生は数人にとどまっていたが、翌31日に17人と急増。以後、二桁台の感染確認が続く。3月20日からの3連休に人の動きが活発になったことも影響したとみられている。

 緊急事態宣言が4月7日に出されると、県はそれまでの週末や夜間の繁華街に加え、平日の外出自粛も要請したが、11日に「一日」当たりの感染者としては最多の43人を確認した。

 一方、感染が確認された地域(18日現在)は21市5郡に広がり、糸島市や春日市、行橋市など両政令市の近郊都市での感染者も目立つ。

 年代別では30代と50代がそれぞれ約17%、20代と40代が約15%ずつ、60代が約14%、80代が約7%−を占めた。

 18日時点で死者は計10人。感染経路を追えない感染者は243人で全体の約5割となっている。クラスターについては、医療機関や福祉施設などで計9件発生。18日もクラスター発生の恐れがある通所介護施設が判明した。

 県保健医療介護部は「依然として県内の状況は厳しい。感染を広げないためにも、『3密』を避け、在宅勤務に切り替えるなどの努力をお願いしたい」としている。 (大坪拓也)

2020/4/20 6:00
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