17日の会見で朝日新聞の記者から布マスクが批判を浴びていることを指摘され、安倍首相はムキになって、こう切り返した。
「今、ご質問いただいた御社のネットでも、布マスク、3300円で販売しておられたと承知している。
そのような需要も十分にある中で、われわれもこの2枚の配布をさせていただいた」

 実はこのネタ、しばらく前から“ネトウヨ系”のまとめサイトで話題になっていた。
そんな情報をもとに一国のトップが「朝日だって高額マスクを売っているじゃないか」との印象操作とはア然だ。しかも、
安倍首相が引き合いに出したマスクは、価格に見合う高性能マスクなのだ。

 製造元は、泉大津市の大津毛織。100年以上の歴史を誇る老舗の繊維メーカーだ。
問題のマスクは2枚組3300円で、コットン100%の4層構造。ナント、150回ほどの洗濯にも耐え、非常に経済的に使える。
1回の使用当たり11円の計算だ。アベノマスクは1回洗っただけで、驚くほど縮んでしまう。もはや“アホノマスク”とは雲泥の差である。

マスクを求めてドラッグストアに行列する住民の姿を見て、何とかしなければと思いました。
繊維のまちである泉大津市の素材と縫製技術を活用し、何度も使えるマスクを作れば、マスク不足を解消できるのではないか――。
3月6日に商工会議所に声をかけたところ、6社が手を挙げてくれた。大急ぎでサンプルを作り、
20日に店頭に並べると、その日に完売しました。その後も製造・販売を続けています」

 南出市長は安倍会見をどう見たか。

「安倍首相は単純に価格だけを取り上げました。価格だけでなく、どういうマスクなのか正しく伝えてほしいと思いました。
大津毛織のマスクは手作りで、素材も縫い方もこだわっている。私も使っていますが、繰り返し何度も使えます。
逆に、注目を浴びたのをチャンスにしたい。実際にマスクを見た人は『ちゃんとしたの作ってるやん』という反応がありました」  

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