【宜野湾】米軍普天間飛行場から発がん性が指摘されている有機フッ素化合物PFOS(ピーフォス)を含む泡消火剤が流出した問題で、国と県、宜野湾市の3者は21日、基地内への立ち入り調査を実施した。
国と県、米軍が基地内3地点で水をサンプル採取した。日米地位協定の環境補足協定に基づく立ち入りで、県と市の立ち入りは初めて。

防衛省などによると、採水したのは滑走路南側沿いにある排水路3地点。
防衛省と県でそれぞれ2リットルずつ、計4リットルの水を持ち帰った。土壌は採取していない。
防衛省は「土壌のサンプリングを実施する必要もあると認識している」との見解を示した。

立ち入り調査した県環境部の普天間朝好環境企画統括監は基地外で報道陣に「土壌(の採取)は今後、調整していく」と述べた。水質の分析結果は約1カ月後に出るとした。

立ち入った松川正則市長は、環境補足協定に基づく初めての立ち入りに「一歩も二歩も進展があった。補足協定の実効性が出てきた思いがある」と評価した。
一方、市は水を採取せず、国などによるサンプル調査結果の情報を提供するよう求めた。

3者は21日午後4時に基地内に入り、午後7時ごろまで調査した。米軍から事故原因などの説明はなかったという。
県と市は、今後の立ち入り調査や周辺環境の調査については、水質分析の結果などを踏まえて判断するとした。

2020年04月22日 06:30
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