【北京=比嘉清太】中国国営新華社通信は23日、習近平(シージンピン)国家主席が視察先の西部・陝西省で、自らの指示を放置した地元幹部らが処分された問題に触れ、「決して二の舞いを演じてはならず、歴史に悪名を残してはならない」と語ったと伝えた。新型コロナウイルスへの初期対応を巡って国際社会からの批判が高まる中、絶対服従を要求し政権内の引き締めを図る狙いとみられる。

 習氏が言及したのは、国立公園の違法建築物を取り締まるよう、2014年以降に6回指示しながら地元政府が18年まで本格的に対応せず、陝西省トップだった元共産党委員会書記らが失脚した問題だ。習氏は視察先で地元当局者らに対し、「教訓を十分にくみ取らねばならない。党中央が何を重視しているか、関心を寄せねばならない」と命じた。

 1〜3月期の国内総生産(GDP)がマイナス成長に陥ったことが今月17日に発表された後、習氏が地方を視察するのは初めて。習氏は、感染流行で「不利な影響がある」と認めながらも、年内に農村の貧困人口をゼロにするという政権目標を達成する意向を示した。

2020/04/23 21:07
https://www.yomiuri.co.jp/world/20200423-OYT1T50259/