https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200425-00000084-asahi-sctch
 新型コロナウイルスの感染者が増え、自治体が準備した病院のベッドが逼迫(ひっぱく)している。
4道府県で入院者数が準備しているベッド数の8割を超えている。
自治体はベッドを増やし、軽症者向けの宿泊施設を準備するが、感染者が日ごとに増え、対応が難しくなっている。

朝日新聞社が22日時点の状況について、全国の都道府県に聞いた。
各都道府県とも、その後もベッド数を増やしたり宿泊施設を用意したりするなどの対策を急いでおり、状況は日々変化している。
入院患者の数が、準備している病床数に占める割合(利用率)は、入院待機者を含めて回答した大阪府が131%、福岡県も140%と高い。
同じく待機者を含めた石川県は87%、待機者の数は明らかにしていない北海道が81%だった。
大阪府は軽症者らの宿泊療養施設を24日以降、新たに800床以上用意した。
24日時点では入院待機者を含めた人数が調査時点より300人以上減り、状況は改善している。

ほかにベッドの利用率が高いのは奈良県(78%)、埼玉県、香川県(以上69%)、兵庫県、愛知県(同68%)などだった。
埼玉は、入院待機者349人を含めると、ベッド数の倍近くになり、利用率は100%を超す計算になる。
全国最多の感染者を確認する東京都は22日時点の病床数は把握できていないと回答した。
約1週間前の病床数は約2千床で、厚生労働省の資料によると、17日時点で入院などが約2700人おり、利用率は130%を超える。

急増する感染者にどう対応しているのか。
福岡県では、新型コロナ対応として用意する300床に対し、患者数は421人に上る。
新型コロナが流行する以前の感染症指定病床は150床。地域の医療機関の協力を得て倍増したが、追いついていない。
そこで、症状が安定した患者らが過ごすための宿泊施設を約600室確保。
陰性を確認する検査を待つ患者らに順次移ってもらい、病床を空けている。22日時点で53人が利用する。

担当者は「病床が全部埋まっているわけではなく、重症者は入院できている」と話す。
それでも高齢者施設にいる人や無症状の人を中心に、自宅待機となる人が出ているという。
県は、県医師会や大学病院、基幹病院にさらなる病床確保への協力を要請している。570床に増やすことを目標とする。

新型コロナの患者用のベッドが170床の石川県も、患者数は176人で、すでにベッド数を上回る。
宿泊施設を170人分確保し、症状が安定する28人が滞在する。このため病床に空きはあるという。
患者が急増しなければ、病床を増やさず、軽症者に宿泊施設で過ごしてもらい、重症者向けの病床を確保していく方針だという。