新型コロナウイルスの感染拡大を受け、学校法人立命館(本部・京都市)は28日、設置する大学や学校に通う学生・生徒・児童計4万8580人全員(2019年5月現在)を対象とした、総額25億円の緊急支援を発表した。学生や生徒らがウェブ上で授業を受けられる環境整備を支援するため、一律3万円を支給するほか、アルバイトができずに生活が困窮している学生を支援する。時期や支給方法は未定。

 同法人の大学や学校は5月7日から、ウェブ上での授業再開を予定している。インターネット環境など受講に必要な準備を進める費用を支援するほか、必要に応じてパソコンや、インターネットの高速接続に必要な中継器(ルーター)を無償で貸し出す。これらの支援策で、総額16億円程度を想定している。

 また、アルバイト先が休業するなどして生活が困窮している立命館大(本部・京都市)と立命館アジア太平洋大(大分県別府市)の学生向けに、最大9万円(月3万円を3カ月分)を支給。生活費が激減した学生が対象で、返済する必要はない。総額で5億円程度を予定している。

 そのほか、オンライン上で学生や生徒らの学習・生活面をサポートできる体制を整備。就職活動の支援のほか、資格習得や語学の講座などのプログラムもオンライン上で提供する。これらの整備費として、4億円程度を見積もっている。

 同法人の仲谷善雄総長はホームページ上で「今後も必要に応じ、必要な施策を実施する。政府に対して、効果的な支援策の検討と実施を強く訴える」とのコメントを掲載した。【福富智】

毎日新聞2020年4月28日 13時43分
https://mainichi.jp/articles/20200428/k00/00m/040/126000c