ネットで高まる「吉村洋文大阪府知事」人気

その姿が新聞やテレビで全国へ報じられたことで「吉村人気」は爆発的に上昇した。  
政治家、知事としては年齢が44歳と若く、ハンサムで長身という見た目の良さも人気アップに一役買ったのかもしれない。

さらに連日のテレビ出演は、これまで大阪限定だった維新人気を全国へ拡げる効果もあった。

その吉村知事だが、記者会見などテレビに映る最近の姿は疲れ気味のご様子。果たして彼の健康を心配した支持者が始めたのか、
それとも別の思惑が隠されているのか、ツイッター上では知事の寝不足を心配する「#吉村寝ろ」というハッシュタグが登場し、これに同意した人たちの手によって拡散された。

のろのろとした政府の動きとは違ってコロナ対策に関しては大阪府の動きはスピード感にあふれている印象があり、人気アップに拍車をかけた。

都合の悪い公文書は速攻でシュレッダーにかけるのに、国民への新型コロナの経済対策に関しては政府・与党の対応はのろまだった。
当初は「お肉券」だったかと思えば、次に減収世帯に条件付きで30万円を支給する措置へと変わり、最後は世論と与野党の声に押されて国民1人あたり一律10万円の給付に決定。

その迷走ぶりとアベノマスクの不評も手伝ってか、どのメディアの世論調査を見ても安倍晋三内閣の支持率は下がる一方

なんの検証もなくヨイショ記事を垂れ流すメディアの怠慢

 メディアにも異変が起こっている。主にネットを中心としたメディアで吉村知事称賛の記事が目立つようになった。
例えば4月22日付けのプレジデントオンラインは、『これが対コロナ最強布陣 「橋下総理、小池長官、吉村厚生相」』という記事を掲載し、
橋下徹元大阪市長、小池百合子都知事らと共に吉村知事を持ち上げ、将来の国務大臣に推している。

このほかにも一部のスポーツ紙は吉村知事の主張を垂れ流す広報機関と化し、Twitter Japanにいたっては、「日本初」と銘打って同社の社長と吉村知事との「ライブ対談」を4月28日に始めるとアナウンス

ここまで来ると、ネット世論の後押しとメディア総動員で吉村知事をヒーロー化する政治的な思惑が背後に潜んでいるのかと疑ってしまう。

ただし、人気があるから「将来の総理大臣に」「次の厚生労働大臣だ」という思考はあまりに短絡すぎないか。何の検証もなく、ただただ人気に便乗してヨイショ記事を垂れ流すメディアは

あまりに仕事をサボりすぎではないのか。これは吉村知事がどうのこうのという話ではなく、誰が政治家や行政トップであっても言えることである

どれほど頼もしく見える政治リーダーであっても、あまり期待して肩入れしすぎるのは禁物だということではないか。
だとしたら、コロナ対策にしても「感染防止などできて当たり前」くらいに冷めた目でいたほうが無難かもしれない。
あとで「あんな政治家だったのか」「裏切られた」と後悔するだけならマシである。最悪、この国が地獄へ突き落とされてはたまらない。

例えばパチンコ屋の店名公表などは不十分、不用意だったと批判的に見ている。

この問題について橋下徹さんは4月23日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!〜激論Rock&Go!」に生出演し

次のように語っている。 「営業の自由を強制的に奪ったら、憲法29条3項の損失補償を必ずやらなければいけません。
営業権の自由、こんなもの、人権の最たるものですよ。これを損失補償したくないものだから『お願い』という形で官僚の悪知恵で法律をつくったのですが、見てくださいよ。
あんなもの『お願い』でもなんでもないではないですか。パチンコ店に電話して『閉めなかったら公表する』と。
そこまでやるのだったら補償をしっかりとすべきです」(ニッポン放送NEWS ONLINEより)

政治は結果責任である。店名を公表したことで客がいつもより集まりすぎた店も実際にあったわけで、この衝撃の結果については知事も原因分析と反省が必要だと考える。

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