【シリコンバレー=白石武志】米ジョンズ・ホプキンス大学の調べによると、1日までに新型コロナウイルスの回復者数は世界で累計100万人を超えた。欧米では経済活動を再開させる動きが広がるが、世界的にはなお1日当たりの新規感染者数が回復者数を上回る傾向が続いている。感染の中心地となっている米ニューヨーク州などは外出制限の解除になお慎重だ。

同大学によると米東部時間1日午後10時(日本時間2日午前11時)時点で世界全体の累計の感染者数は約334万人、死者数は23万人、回復者数は105万人となった。新型コロナの感染が確認された3〜4人に1人の割合ですでに回復したことになる。中国や韓国、ドイツなどで累計感染者数に対する回復者数の比率が高く、8〜9割前後に達している。

ただ、感染地域はブラジルやロシアなどにも広がりつつある。世界全体では1日当たりの新規感染者数は足元でも8万人前後で推移しており、1日当たりの回復者数(4万〜6万人)を上回る傾向が続いている。

全米規模の外出制限が1カ月以上続いた米国では4月30日の1日当たりの回復者数が3万3000人となり、新規感染者数(約2万9000人)を上回った。集計手法によって数値は大きく変動するものの、米国で1日当たりの回復者数が新規感染者数を上回るのは3月以降で初めてだ。

米国では1人の感染者が何人に感染を広げるかを示す再生産数も低下傾向にある。米写真共有サービスインスタグラムの創業者らが立ち上げたウェブサイトの推定データによると、1カ月前には全米50州と首都ワシントンの9割で再生産数が「1」を上回っていたが、4月30日時点では9割の州・地域で「1」を下回り、感染が収束方向にあることを示している。

ジョージア州やテキサス州など一部の州はすでに、人数を制限しつつも飲食店や美容院などの営業再開を認め始めた。地元メディアでは客同士が距離を保ちながら小売店などを訪れる姿が報じられている。フロリダ州ではゴルフ場の営業も再開した。

インディアナ州のホルコム知事は1日の記者会見で、経済活動を5段階に分けて再開するロードマップを明らかにした。4日に製造業や建設業のほか、ショッピング・モールなど小売業を収容人員の制限付きで再開する。同州にはSUBARU(スバル)など日本の自動車メーカーが工場を構えており、どう円滑に再稼働するかが焦点になっている。

以下略、ソース元にてご覧ください。

日本経済新聞 2020年5月2日 6:46 (2020年5月2日 12:17 更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58757640S0A500C2I00000/