本庶佑 京都大学大学院 特別教授:
これまで感染予防・隔離が話題となっているが、非常事態宣言を出した以上、次に目指すのはいつ脱出するか。
つまり出口戦略を明確にしなければ「いつまでやるのか」という話になる。感染はゼロにはならない。

1桁になるまでというなら今年中に終わらないかもしれない。みんなが安心できる状態は、死人がそれほど出ないこと。
多くの人が不安を抱いているのは、たくさん死人が出ているヨーロッパ・アメリカのようになる恐れから解放されること、つまり治療の問題。

ワクチンはその次の段階。重症者にいまワクチンを打っても間に合わない。うまくいっても1年以上かかります。
インフルエンザやこうしたタイプのウイルスのワクチンはこれまであまり有効なものはできてない。
エイズやインフルエンザのワクチンはあるが、効いていると思います?

反町理キャスター:
僕は毎年打っていますが……。

本庶佑 京都大学大学院 特別教授:
この手のウイルスのワクチン開発は、経験から言って非常に難しい。ですから私は治療が先だと思います。
新薬開発は間に合わない。既存のアビガンやHIVの薬など全部使うべき。簡単に言うなら、そういった治療の機会がもっとあると啓発し、
「死なない状況」を作れば、自粛なんてすぐにでもやめていいんですよ。

本庶佑 京都大学大学院 特別教授:
法律的には、認可された薬は医師の裁量で使っていい。適用外使用で保険適用ではありませんが、
亡くなるかどうかの瀬戸際でなぜ使わないのか不思議。厚労省もガイドラインで示すべき。

本庶佑 京都大学大学院 特別教授:
ひとたび感染が始まり火の手が上がっているので、感染をゼロにはできない。いかに治療し死者を減らすか。
しかし専門家会議の中に治療の専門家が少ないのは非常に問題。これまで出口戦略という見方で語られておらず、
いつどこでやめるかという議論は不可能。やはり治療にきちんと注力し、多くの人が治るんだとなれば自然に出口が見えてくる。

反町理キャスター:
本庶さんが考える出口戦略とは?

本庶佑 京都大学大学院 特別教授:
感染はあるが死人は一定の数に抑えられる、感染防御は続けるが外に出て経済活動をやろう、という形。
これを目指さなければいけない。いまの専門家会議に任せていたら議論ができず、出口戦略は到底描けない。

竹内友佳キャスター:
この出口戦略を選ぶには、政治家にも国民にも覚悟が必要ですよね。

本庶佑 京都大学大学院 特別教授:
死ななければ感染症は怖くない。死ぬか死なないか。人間は一定の数必ず死ぬので、その率が著しく逸脱していなければ拘束しなくてもいい。
https://www.fnn.jp/articles/-/36387
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