新潟市西区の青山海岸で、砂浜に崖状の落差が生じる「浜崖」が長距離にわたってできているのを、澤口晋一・新潟国際情報大学教授(61)=地形学=が確認した。高さは最大で2メートル20センチ、全長は断続的に700メートルを超える。澤口教授は「これほど大規模な浜崖ができるのは珍しい」と話している。

 新潟砂丘の地形研究を続けている澤口教授によると、浜崖は波で砂浜が浸食された際にでき、急勾配の砂浜で生じやすい。高さ数十センチの浜崖はこれまでも新潟市内で見られたが、2メートル超の規模は「少なくとも青山海岸で砂浜拡張工事があった1970年代以降は最大ではないか」という。

 今回見つかった浜崖は、昨年12月以降に形成されたとみられる。人の背丈より高い落差がある部分も含め、断続的に計725メートルにわたって続いている。周辺では、昨秋まで砂中に埋まっていた消波ブロックが露出。これだけの規模の浜崖ができたメカニズムは分かっていないが、浜に打ち上げられた漂着物の位置などから「今冬は例年よりも波が砂浜の奥まで達した」と考えられるという。

 澤口教授は「40年ほどかけて消波ブロックの上に堆積した砂が一冬で削られた」と驚いていた。

 海岸を管理する県新潟地域振興局は「浜崖付近は陥没する恐れがあるので立ち入らないでほしい」と呼び掛けている。

2020/05/03 13:10
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