新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が延長される一方で、茨城大や筑波大などは4月下旬、相次いで新学期を始めた。県内の大学は休業要請の対象施設となっているため、学生や教員は原則、オンラインで自宅から参加。手探り状態で授業が進んでいる。

茨城大(水戸市)では先月30日、オンライン授業による前学期が始まった。先月中旬、各学部の教員向けに講習会を開催。教員らはウェブ会議や動画の配信手順を学んできた。30日の授業では、一部の講義で音声が途切れるなどしたが、大きな混乱はなかったという。単位に必要な時間を確保するため、講義1回の時間を10分間延ばすなどしているという。
 人文社会科学部の伊藤哲司教授(社会心理学)の研究室では、3、4年生対象のゼミがスタート。ウェブ会議で意見を交わした。3年生の村田友輝さん(20)は「いきなりのオンラインだけど意見は言いやすい。ただ、ゼミ後に先輩と仲良くなる時間がなく、距離の詰め方が難しい」。
 通信環境が整っていない学生への講義や、パソコンを持っていない学生に貸与するなどの対応をしているという。
 筑波大(つくば市)は、延期していた春学期を先月27日に始め、約1万6千人いる全学生に対してオンラインのみで授業を進めている。当面は教員が収録した動画を学生が好きな時に視聴する方式を導入。稲垣敏之副学長は「形態は従来と異なるが、学ぶべき内容は盛り込む。今後は議論ができるライブ方式も採り入れ、新しい成績評価の方法もさぐりたい」と話す。

このほか、県内の主な大学では、茨城キリスト教大(日立市)も先月27日からオンラインで授業を開始。常磐大(水戸市)は20日に開始予定という。11日に前期の授業を始める予定だったつくば国際大(土浦市)は、6月1日に延ばした。(古源盛一、佐野楓、庄司直樹)


2020/5/6 11:00
https://www.asahi.com/sp/articles/ASN557DL5N4ZUJHB002.html