京都市は7日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、PCR検査の対象を市独自に拡大すると発表した。病院や福祉施設、家庭内で感染者が出た場合、接触した可能性のある人全員にPCR検査を実施する。高齢者や基礎疾患のある人は重症化のリスクも高く、市はこれまでもPCR検査の対象を状況に応じて拡大していたが、基準を明確化する。

 PCR検査は原則、濃厚接触者や症状のある人を中心に実施していた。新たな基準では、病院や福祉施設で陽性患者が発生した場合は、症状の有無に関わらず、接触した可能性のある全員を直ちに検査。家庭内では同居している家族と、接触した可能性のある親族の全員を検査する。

 市によると、感染者が相次いだ堀川病院(同市上京区)の場合、入院患者は検査対象118人中20人、医療スタッフは138人中10人が陽性となるなど、院内感染の拡大防止が課題となっている。医療機関では早期に広範囲の検査を実施することで、その後の感染拡大を防ぐことにつながる。同時に医療スタッフの勤務の可否を早急に判断できるため、医療崩壊を防ぐことにもつながるとしている。

 門川大作市長は同日、市役所で記者団に「感染経路が不明の感染者は減少する一方、病院や家庭内の感染拡大は依然厳しい状況だ。病院などの感染を抑え込めないと収束に向かわず、全力を傾注したい」と述べた。【小田中大】

5/7(木) 18:33配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200507-00000031-mai-soci
https://lpt.c.yimg.jp/amd/20200507-00000031-mai-000-view.jpg