2020.05.11 Mon posted at 14:00 JST

(CNN) 米マサチューセッツ州で新型コロナウイルス対策規制の緩和を受けて営業を再開したアイスクリーム店が、わずか1日で再び休業に追い込まれた。米国では週末にかけてほぼ全州で部分的に経済活動が再開されたが、こうした事態は現実がまだ平常とは程遠い状況を見せつけている。
マサチューセッツ州マッシュピーにあるアイスクリーム店「ポーラー・ケイブ」は営業を再開した翌日の9日、再び閉店せざるを得なくなった。客が互いに距離を置くソーシャル・ディスタンシングを守らず、店員に暴言を吐くなどしたことが原因だった。
経営者のマーク・ローレンスさんはCNN系列局WFXTの取材に対し、「いちばんよく働いてくれた従業員の1人は昨日、シフトが終わるとやめてしまった」と打ち明けた。「彼女は男性のロッカールームの中でさえ口にできないような言葉を浴びせられた。相手は17歳の子どもだ。恥を知るべきだ」と憤る。
同店は営業を再開する場合の指示に従って、客全員に対し、1時間以上前の事前注文を要請していた。
ところがこの要請を無視して大勢の客が予約なしで店に詰めかけたことから、店内が込み合い、客が従業員に怒りをぶつける事態になった。
「みんな自宅にこもっていた6〜7週間の間に、他人との接し方を忘れてしまった」とローレンスさんは嘆く。
8日の営業を終了すると、ローレンスさんはフェイスブックに「19年間やってきた中で最低の気分を味わった」と投稿。やむなく翌日の営業は中止を決めた。
しかし悪いことばかりではなかった。この投稿が地元のニュースで取り上げられると、市民から応援の声が相次いだ。
10日には営業を再開でき、今度は客もルールに従って事前に注文してくれたとローレンスさんは伝えている。


https://www.cnn.co.jp/business/35153565.html