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2020/05/14(木) 09:22:47.60ID:OW6X/BuI9https://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/list/202005/images/PK2020051302100049_size0.jpg
2020年5月13日
新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言下で外出自粛が続く中、酪農を教育の場としても提供している県内の牧場にも影響が出ている。
県南部にあり、東京から最も近い観光牧場として人気を呼ぶ榎本牧場(上尾市)の榎本求(もとむ)代表理事(71)は「体験を楽しみにしている子どもたちに会えないのが残念」と語る。(前田朋子)
「体験希望の問い合わせは多いけれど、『再開したら来て』と伝えています。掲示で牛の解説はしていますが…」。連休中の二日、榎本さんは残念そうに話した。
荒川沿いにある牧場には、約六十頭の牛のほかミニブタ、ウサギなどの小動物もいる。
すぐ近くに「荒川サイクリングロード」ができたこともあり、年間八万〜九万人が訪れる。
普段は榎本さん自ら講師を務め、乳搾りやバター作りなどの酪農体験教室を行うが、今は中止。入場を制限しながら売店と牛舎の公開のみ行っている。
一九四五年に創業。榎本さんらが海外の酪農事情を学ぶ中で「国際競争力を考えても、大規模な酪農は難しい」と知恵を絞り、二〇〇〇年ごろ観光牧場へとかじを切った。
現在の売り上げは、ジェラートやヨーグルトを扱う売店が七割、搾った生乳を農協などを通じて乳業メーカーに納める酪農事業が三割弱だ。学校給食中止の影響はほとんど受けていないが、来訪者減は売店の売り上げに直結し、大きな打撃となっている。
通常は観光客の多くが午前中に酪農体験や榎本さんの解説を聞き、午後は売店で乳製品を楽しんだり、敷地内で貸し出す設備でバーベキューなどを楽しんだりして一日中滞在する。
気候がよく、冷たい乳製品が好まれる春〜夏の売り上げを、来訪者が減る従業員の冬の給与に回していたが、この連休の売り上げは平年に比べ四割ほど減った。榎本さんは「この状態が長く続けば難しい状態になる」と表情を曇らせる。
榎本さんが力を注ぐ体験教室も再開の見通しが立たない。毎年恒例となっていた都内や近郊の学校や子ども会の来訪も断っている。これまで、牛に初めて触れて喜ぶ子どもや、安定的に生乳を得る仕組みに感心する大人たちに出会ってきた。榎本さんは「こうなって初めて、多くの人に酪農を知ってもらう機会があった幸せに気付いた」。見学者らが再び笑顔を見せる日を心待ちにしている。
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