ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストは、米労働市場の一段と悲観的な見通しを反映するため予測を修正した。一方で、新型コロナウイルス感染拡大に見舞われた米経済の回復は従来予想より急速になるとの見方も示した。

  アナリストのデービッド・メリクル氏とロニー・ウォーカー氏は12日遅くの調査リポートで、失業率のピークを25%と予測し、従来予想の15%から上方修正した。「より多くの労働者が職を失い、失業者と分類される人の割合が増える」と予想。ただ失業率はその後、年末には前回リセッション(景気後退)時のピーク並みの10%付近になる見通しだとした。

  ゴールドマンの予測修正に先立ち先週発表された4月の雇用統計では、非農業部門雇用者数は過去最大の落ち込みを示し、失業率は14.7%と、大恐慌時代以来の高水準となった。失業率が25%に達すれば、大恐慌のピーク時の記録とほぼ同水準となる。

  同社アナリストらは労働市場への一層の打撃を予想した半面、経済活動の緩やかな再開を示す一部指標などを受け、米経済の先行き懸念を和らげる見通しも示した。

  新たな予測では、四半期国内総生産(GDP)へのより大きな打撃を反映し、4−6月(第2四半期)GDPを年率39%減と、従来予測の34%減から修正。一方で、7−9月(第3四半期)GDPは29%増と、従来予測の19%増を上回る比較的急速な回復見通しを示した。

bloomberg 2020年5月14日 9:30 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-05-14/QAAJANT0G1KY01