2020年5月13日、仏国際放送局RFIの中国語版サイトは、日本の新型コロナウイルス感染者と死亡者が
世界的に見て少ない理由について考察する記事を掲載した。

記事はまず、世界で400万人以上が感染し、29万人近くが死亡するなか、
日本では5月12日現在の累計感染者数が1万5874人、死者が643人といずれも少なくなっていると紹介。

感染者10万人当たりの死亡率はわずか0.3人にとどまっているとした。

その理由について、日本の一部メディアからは「死者が多い欧米地域では気温が低く乾燥した気候であるのに対し、
温暖湿潤なアジア諸国では気温と湿度が上昇するのに伴い感染ペースが落ちた」との見方が出ていると伝えた。

また、別の見立てとして、日本ではPCR検査数が少なく、実際の感染者を正しく推定することが難しいとの声も出ていると紹介。
今月4日時点で、人口10万人当たりのPCR検査数はイタリアが3159人、米国が1752人、韓国が1198人となっているのに対し、
日本はわずか187.8人にとどまっているとした。

その上で記事は、「それでも日本の実際の感染者は、死亡者数で上位に入る国に比べれば少ないものと思われる」とし、
先日、神戸市立医療センター中央市民病院が一般の外来患者1000人に対し実施した抗体検査で3.3%の人から抗体が見つかったのに対し、
米ニューヨーク州で3000人を対象に実施した抗体検査では14%の人が抗体を持っていることが分かったと伝えている。

さらに、日本での感染者、死亡者が少ないとするもう1つの根拠として、日本の感染症治療体制が整っていることを挙げ、
新型ウイルスによる肺炎が「指定感染症」に指定されており、日本人でも外国人でも設備が完備した指定医療機関で治療が受けられ、
政府が公費で検査費と医療費を負担する仕組みになっていることを説明した。

また、軽症者や無症状感染者がホテルなどで隔離措置を取る上での費用も地方自治体が負担するとし、
感染者が経済的負担なくしっかりとした治療や措置を受けられることで重症化するケースが抑えられているため、死亡率も低くなっているとの見解を示している。
https://news.nifty.com/article/world/china/12181-805598/