乾杯はグラスを合わせず、フェースシールドやマスク越しに語り合う―。大分県は、新型コロナウイルスの感染を防ぎながら飲食を楽しむための行動案をまとめ、県職員らが15日夜、大分市内の居酒屋で効果を検証した。県民に参考にしてもらい、利用自粛の打撃を受けている飲食店や酒造会社を応援する狙い。

 マスク姿の職員は、熱がないかなどの体調確認を受けてから入店した。店内では、テーブルごとに横一列や互い違いに座るなどさまざまなパターンで着席。食事中も大皿料理への直箸や回し飲みは避け、ハンカチで口元を隠すなどしながら地元の焼酎を味わった。「シールドは空気がこもって暑い」など戸惑う声も聞かれた。

 同県は緊急事態宣言の解除対象となり、感染の拡大防止と社会経済活動の両立を模索している。受け入れた居酒屋の従業員は「営業をどう続けるかは手探り状態で困惑している。安全に飲食するための基準があると助かる」と話した。

 県は今後、参加した職員の意見も参考に、県民への周知方法を検討する。商業・サービス業振興課長の御手洗洋子課長は「それぞれが新しい生活様式を考えるきっかけにしてほしい」と話した。

2020.5.16 7:01 共同通信
https://www.47news.jp/news/new_type_pneumonia/4816045.html