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 かつて、ニュージーランドでも脱走した羊のシュレックが巨大毛玉となって6年後に発見され話題となったが、同様のケースが発生したようだ。

 オーストラリア、タスマニア島で火災が発生し、ある農場から1頭の羊が行方不明となっていた。その羊が7年ぶりに発見されたという。

 羊毛の為に飼育されている羊は、年に1度毛刈りをしないとどんどん毛が伸びていってしまう。7年分の毛を身に着けた羊のプリックルスは、とてつもなく巨大化していた。

2013年に発生した火災で行方不明になった羊“プリックルス”

 タスマニア島でダナリー農場を運営しているアリス・グレイさんは、今年4月10日に息子の6歳の誕生日を祝うため、自身の農場でBBQの準備をしていた。

 その時、少し離れた場所に白くて大きな丸い塊があるのを見たアリスさんは、やがてそれが1頭の羊であることに気付いた。羊は毛が増量し、かなりの大きさに膨らんでいたという。

 実はこの羊、7年前の2013年に火災が発生した時から行方不明になっていた羊毛用として飼育されているメリノ種の羊だった。

 アリスさんいわく、壊滅的な火災は農場のフェンスを破壊し、フェンスの反対側にいた羊は身動きができなくなってしまい、そのまま行方がわからなくなったのでは、ということだ。

 アリスさん一家は、何千頭もの羊を飼っているため、その時はこの1頭が行方不明になっていることに気付かなかったそうだ。

 しかしその後、義父が農場に暗視カメラを設置。するとカメラにモコモコした1頭の羊が映り込んでいることが数回あった。

 「このモコモコした羊はどこから?」そう疑問に思っていたアリスさんは、BBQパーティーの時に、目の前に姿を現した羊を見て「あのカメラに映っていた羊だ」と確信したという。

 アリスさんにプリックルスと名付けられた羊は、姿を見せたもののおとなしく捕まろうとはしなかった。

 サイズや大量の羊毛に反して、意外と機敏だったプリックルスは、アリスさんの夫が捕まえようとする中、茂みの周りを走り回って逃げようとした。

 しかし、15分後にようやく捕獲。息を切らして電話してきた夫のもとへ駆け付けたアリスさんたちは、BBQを中断し5人がかりでプリックルスを車に乗せた。

大量の羊毛を測るチャリティ・イベントを開催
 新型コロナウイルスの影響で、外出制限が敷かれていたオーストラリア。この時期、人が密になることは危険だが、羊などの動物は普段から群れる習性があるため致し方ない。

 しかし、群れから7年も外れてたっぷりと社会的距離を保っていたプリックルス。このタイミングで戻って来たアリスさん一家は、「プリックルスは社会的距離のエキスパートだね」と言って笑っていたが、プリックルスの7年分の羊刈りにあたって、なんとかこの時期役立てられることはないかと思案。

そこで、プリックルスの羊毛を推測して寄付を募るチャリティ・イベントを開催することに決めた。

 クラウドファンディングサイト「MyCause」を通して告知したところ、世界中から200人以上が参加し、プリックルスの羊毛を推測。寄せられた寄付金は、12000豪ドル(約83万円)以上にものぼった。

 さて、肝心のプリックルスの羊毛の重さはというと、13.6kgだったという。7年分の羊毛は8分ほどで綺麗に刈られ、プリックルスは別羊のようにすっきり細くなった。
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