県立医大(橿原市)は15日、オゾンにさらすことで新型コロナウイルスの感染力をなくせると実験で確認したと発表した。オゾンには細菌やウイルスを無力化する効果があるとされ、発生装置が救急車や医療機関に導入されているが、新型コロナに関しては未確認だった。

 ただ、記者会見した県立医大感染症センターの笠原敬センター長(46)によると、実地での効果的な使用条件はまだ分かっていない。笠原氏は「オゾンを噴霧するだけでウイルスが消えるようなものではない。消毒の基本はアルコールなどで拭くことだ」と注意を促した。

 実験では、オゾンを満たした幅40センチ、高さ22センチ、奥行き30センチのアクリル製の箱に、ウイルスを塗ったステンレスの板を設置。救急車の中での使用環境に近い濃度1?の中に1時間置くと、細胞中での増殖能力が10分の1〜100分の1になった。さらに濃い6?の中に55分間置いた場合は1000分の1〜1万分の1に落ちた。

毎日新聞2020年5月17日 地方版
https://mainichi.jp/articles/20200517/ddl/k29/040/249000c