https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200518/k10012434091000.html

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、北海道登別市の団体がアイヌ民族に伝わる
魔よけの文様を刺しゅうしたマスクが人気を集めています。

マスクを作ったのは登別市のアイヌの人たちで作る団体、「登別アシリの会」です。

アイヌ施策を担当する菅官房長官が、今月7日の記者会見で着用して話題を呼びました。

菅官房長官は会見で「登別のアイヌの方から頂戴したもので、手作りだということだ。
刺しゅうの文様には病気を体に入れないという魔よけの願いが込められていると伺っている。
お守りを兼ねてアイヌ文化の発信にも資することから着用させていただいている」と述べました。

マスクはすべて手作りで、木綿とさらしを縫い合わせた1枚のマスクにアイヌ文様を刺しゅうするのに
1時間はかかるということです。

刺しゅうの文様は、アイヌ語で「とげ」を表す「アイウ※シ」と、渦巻き状の「モレウ」を組み合わせたもので、
とがった文様には病気を体に寄せつけない魔よけの願いが込められているということです。

また、チェーンステッチの縫い方には、家族が道に迷わずに無事に帰って来てほしいという願いが込められています。

会見のあと、全国からおよそ1200枚の注文が寄せられて、今は3か月待ちの状態で、
東京の百貨店からも取り引きの依頼が寄せられているということです。

「登別アシリの会」の芳賀美津枝代表は「うれしさでいっぱいです。こんなに全国に広がるとは想像もしていませんでした。
アイヌ文化を全国に発信して、理解してほしいです」と話しています。

※シは小さいシ

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200518/K10012434091_2005172253_2005180510_01_02.jpg