安倍首相「有効性確認で早期承認へ」‐イベルメクチンなど3製品
薬事日報 2020年05月18日 (月)
https://www.yakuji.co.jp/entry79119.html

 安倍晋三首相は14日の記者会見で、抗寄生虫薬「イベルメクチン」(販売名:ストロメクトール錠)など三つの医薬品について、新型コロナウイルス感染症に対する有効性が確認された場合は早期に薬事承認する考えを示した。

 安倍氏は、一部地域における宣言解除後の新型コロナウイルス対策を説明。その中で、イベルメクチン、膵炎治療薬「ナファモスタット」(フサン)、関節リウマチ治療薬「トシリズマブ」(アクテムラ)について、「いずれも日本が見出した薬で、別の病気への治療薬として副作用を踏まえて処方すれば、安全性は確認されている」と説明。

 「既に臨床研究や治験を進めているが、この感染症への有効性が確認され次第、早期の薬事承認を目指す」との考えを示した。


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新型コロナ「1回投与で48時間でウイルス99%減少」豪研究
ハザードラボ  2020年04月06日 12時10分
https://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/3/3/33706.html

 医学誌『Antiviral Research(アンチヴァイラル・リサーチ)』に今月3日に掲載された論文によると、豪メルボルンのモナッシュ大学と、ピーター・ドハーティー感染免疫研究所のチームは、ベロ細胞というアフリカミドリザルの腎臓由来の細胞を、新型コロナウイルスに感染させる実験を実施。

 ウイルスに2時間さらして感染させた細胞に、さまざまな濃度のイベルメクチンを投与した結果、1回の投与でウイルスの遺伝子増殖を抑制する効果を確認。48時間以内にウイルスのRNAが99.98%減少したとしている。


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作用機序
日経 2020/5/12 16:35
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58982730S0A510C2000000/

では、もし仮にイベルメクチンが新型コロナウイルスに有効であるとしたら、どのような作用機序が考えられるのか。花木センター長は「コンピューターを利用したシミュレーションでは、イベルメクチンは、新型コロナウイルスのメインプロテアーゼに対する結合親和性が報告されている。メインプロテアーゼは、ウイルスのゲノムから翻訳された蛋白質を切断し、機能させる酵素。そのため、イベルメクチンがメインプロテアーゼを阻害することでウイルスの複製を抑制できると考えられる」と説明する。

また、「イベルメクチンは、インポーチンという宿主細胞内のたんぱく質を阻害することも分かっている。インポーチンは、種々のたんぱく質を(細胞の)核内に輸送する機能を持つたんぱく質だ。新型コロナウイルスは、インポーチンを介して宿主細胞の核内に侵入して複製される。そのため、インポーチンにイベルメクチンが結合し、不活化することで、ウイルスの核内への侵入を阻害するのではないかと考えられる」と続ける。