政府は20日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「緊急事態宣言」について、北海道と、東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏1都3県では当面、継続する方針を固めた。
直近1週間の新規感染者数が、基本的対処方針で示した人口10万人当たり「0.5人程度以下」の基準を上回っていることなどから、21日の解除は困難と判断した。
基準を満たす大阪、京都、兵庫の近畿3府県は解除する方針で、最新の感染状況などを見極めた上で、21日の政府対策本部で正式に決定する。

新規感染者数は緊急事態宣言を継続している8都道府県でいずれも減少傾向にあるが、毎日新聞の集計によると、
19日までの1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、北海道0.7人▽東京都0.6人▽神奈川県1.0人――と3都道県で基準を上回っている。

埼玉、千葉両県はそれぞれ0.3人、0.2人と基準を下回っているが、首都圏は社会・経済活動の関係が互いに深く、政府は解除の可否を一括で判断する方針だ。
西村康稔経済再生担当相は20日の記者会見で「経済圏、生活圏を考えれば一体的に判断していくのが適切だ」と語った。

また首都圏では、東京都の新規感染者数が19、20日と2日連続で5人となるなど減少傾向だが、西村氏は「東京では、直近での感染経路不明の割合はまだ比較的高い状況にある」と指摘。
ウイルスの潜伏期間は最長2週間とされることから、20日までは大型連休中の自粛効果が影響するとの認識を示し、
「今日までは良い数字が出てくる。その後、(自粛効果が)緩んだとすれば、増えてくるのではないかと心配している」と述べた。

政府内には「慌てて解除して、また増えても困る」(政府関係者)と「第2波」を警戒する声があり、今回は解除を見送る方針だ。
北海道と首都圏の計5都道県の解除の可否は、28日に改めて判断する。

一方、大阪府の10万人当たりの感染者数は0.3人、京都府、兵庫県はともに0.1人と基準を下回っている。
政府は3府県の解除について、21日に開く専門家らによる基本的対処方針等諮問委員会に諮問し、了承されれば、その後の政府対策本部で決定する。

政府は第2波への警戒から、解除後も3密(密閉、密集、密接)を避けるよう呼びかけ、月内の県境を越えた移動のほか、
これまでにクラスターが発生した夜の繁華街の接待を伴う飲食店やカラオケ、ライブハウスなどへの出入りは引き続き控えるよう呼びかける方針だ。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200520-00000091-mai-pol
5/20(水) 22:00配信