墓地公売、きっかけは住職の財テク 1年で7千万円失う
2020年5月27日 7時00分
https://www.asahi.com/articles/ASN5V7FJ7N5VOIPE02T.html?iref=comtop_8_01

 名古屋・大須にあった古刹(こさつ)・久宝寺が税金の支払いを滞納したとして、名古屋国税局が寺の墓地を差し押さえ、公売にかけた。異例の事態に、檀家(だんか)は怒りと戸惑いを隠せない。なぜこんなことになったのか。

 きっかけは、住職が抱いた将来の経営不安だった。

 「檀家(だんか)は100軒ほど。人口減で減り、家族葬が増えて葬式も減っている。このままではお先真っ暗だ」

 住職は2012年、安定した収入を得るため、大須商店街の中心にあった寺を、本堂兼マンションに建て替えることを決めた。工事代金約4億9千万円で14年に完成。11階建て約30部屋、最上階に本堂を設けた。

 しかし、寺の資金繰りはすでに…

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