埴科郡坂城町上平の市川武範さん(55)宅で26日深夜に起きた殺人事件で、回転式の拳銃が使用され、3発が発射されていたことが28日、捜査関係者への取材で分かった。現場で拳銃2丁が見つかっており、県警は死亡した暴力団関係者の小沢翔容疑者(35)が殺意を持って玄関付近の窓ガラスを割って押し入り、市川さんの長女杏菜さん(22)と次男直人さん(16)を次々に殺害、その後自殺したとみて拳銃の入手経路や犯行の経緯を調べている。

 死亡した3人は玄関近くの屋内で倒れており、頭部付近に撃たれた痕があった。3発の中には、貫通していない弾があったことが新たに判明。拳銃の威力は比較的低かったとみられるが、小沢容疑者が2人に狙いを定め、至近距離から発砲した可能性がある。

 住宅内にいて唯一助かった市川さんの妻が、犯行を目撃していたことも分かった。小沢容疑者が玄関をたたく音や、杏菜さんや直人さんが叫ぶ声が聞こえたという。小沢容疑者が玄関から押し入ろうとしたものの施錠されていて入れず、玄関脇の窓ガラスを割って侵入し、犯行に及んだ可能性がある。

 事件は26日午後11時16分に119番通報があり、駆け付けた救急隊員が、頭部付近から血を流して倒れている3人を発見した。3人は玄関付近に倒れ、小沢容疑者の右手付近に拳銃1丁、近くにもう1丁があった。市川さんは外出中で、長男は県警からの避難措置を受け、不在だった。

ソース https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20200529/KT200528FTI090031000.php