4月30日以降、23日間連続で新型コロナウイルスの感染確認ゼロが続いていた北九州市だったが、23日から29日までの1週間は一転して計69人の感染を確認。市内の感染者総数は一気にほぼ倍増の145人となった。北橋健治市長は29日、「第2波のまっただ中にいる」との認識を表明。69人は市内全7区のほか、中間市、行橋市、水巻町、築上町などにも広がり、27人の感染経路が分かっていない。また、80代の2人が死亡し、北九州市の死者は3人となった。

 日別の感染確認は、23、24日が3人、25日6人、26日2人、27日8人と推移した後、二つの病院でのクラスター(感染者集団)発生が判明した28日には、これまで最多だった4月1日と同数の21人に達した。29日は特別養護老人ホームのクラスターも加わり、さらに26人に増えた。2日間連続2桁は4月1日以来だが、このときは2日間で31人増で、増加の勢いは第2波の方が強い。

 濃厚接触者のPCR検査が進んだ28日より前の4日間に確認された22人に限ると、8割弱が感染経路が不明。また、70代以上が半数近い10人だった。

 濃厚接触者に当たる医療スタッフの感染確認が増えた28日以降は、感染経路不明の割合が下がり、若年層の割合が増えているが、当初、感染経路不明の高齢層が広範かつ多数出たことは、市中で潜在的な感染が広がっている可能性をうかがわせる。

西日本新聞 北九州版 2020/5/31 6:00
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