東京・墨田区の中華料理店「三巴湯(さんばたん)火鍋」は、新型コロナウイルスで困っている人のため、毎日、お弁当を無料で提供してきました。
「まわりの日本人から、多くの助けをもらったから」と、1日10万円ものコストを度外視して無償提供を決断した店主。

その活動が注目されると、賛同した人たちから現金や野菜、お米などの支援もたくさん届きました。
緊急事態宣言の解除を受け、6月5日から、通常営業に戻ります。「感動の毎日」と話す店主の李さんに、お店再開までの心境を聞きました。


■現金入りの手紙「涙が出た」

「三巴湯(さんばたん)火鍋」の店主、李さんは、4月14日から、お弁当の無償提供を始めました。

理由について、withnewsの取材に「恩返し」と答えていました。

「店を始めたばかりのころ、私もまわりの日本人から、多くの助けをもらいました。 日本は治安がよく、大好きな国です。今回のお弁当は、微力だと思いますが、日中友好のためにも、続けていきたいです」

「三巴湯火鍋」の取り組みが報じられると、李さんが思っても見なかった反響が起きました。

毎日500食のお弁当を無償で提供していることを知った全国各地の人から、励ましやお礼の手紙が届くようになったのです。

飲み物や、お菓子、マスクのほか、野菜、果物、お米もありました。現金が入っていたことも少なくなかったと言います。

画像:李さんに送られたお米と励ましの手紙
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飲食店のパートだという人からは、「先月は今までの2割程度しか稼げませんでしたが、誰かの役に立てたらと思いました」と書いた励ましの手紙と、その人が4月に稼いだ給料の2万円が入った封筒が届きました。

札幌市からも「コロナが落ち着いたら、きっとお店へ行きたいです」と手紙が届きました。「仕事が減って大変な毎日を過ごしています。あたたかい気持ちが何倍にもなって、あなたたちにかえってきますように!」とつづられており、1万円が同封されていたそうです。

李さんは「手紙を読んで涙が出ました。どんな言葉もそのありがたさを表現できない」と感激を隠せませんでした。

「連絡先を書いてくれていた人には、電話をかけて、お礼の気持ちをを伝えています」

画像:李さんに送られた手紙と現金
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■毎日、店の前に野菜の箱が……

反響はそれだけではありませんでした。

「感謝したくてもまだ感謝できていない人もいました」と李さんが話すのは、野菜の差し入れです。

「名前も告げず、野菜を店の前に置いてくれる八百屋さんがいたのです」と明かします。

(中略)

もともと緊急事態宣言の解除まで、というつもりだった李さん。
東京の緊急事態宣言は5月25日に解除されましたが、お弁当を待つ人が多いので、無償提供の期間をさらに1週間延ばしました。

6月2日はお弁当を配る最後の日にしています。貼り紙も出しました。通常営業の準備でシェフが増えるため、2日に限って1000食分を提供する予定です。

(続きはソース元で)

ソース:withnews【2020/06/02】
https://withnews.jp/article/f0200602005qq000000000000000W02311101qq000021259A