6/6(土) 20:05
朝日新聞デジタル

市民のマスク購入券、公費で値下げ 流通回復で割高に…
蒲郡市内の全世帯に届けられる「マスク購入引換券」(見本)=愛知県蒲郡市提供
 新型コロナウイルス対策としてマスク購入引換券を全戸に配布する愛知県蒲郡市は、券を使って市民が市から購入する際の価格を1箱(50枚入り)1500円から1千円に引き下げた。購入券の発送を終えたのは6月に入ってから。すでに店頭にはマスクが並ぶようになり、市価が下がっていることに対応した。差額には公費を充てるため、市議会では、市の対応を批判する声も上がる。

 市が市内全世帯分のマスクを独自に確保する方針を固めたのは5月。不織布マスク3万2千箱(計160万枚)を4800万円で一括購入する随意契約を市内のドラッグストア運営会社と結んだ。市関係者によると、民間から大量購入を持ちかけられ、最終的に市が受け入れたという。

 市が契約した際の価格は1箱1500円で、1枚あたり30円。市の購入価格と同額で各世帯が入手できるように購入券を配ることにした。

 全世帯への購入券発送を前に、市は市内店舗でマスクの販売状況を改めて調査した。すると、5月12日時点で市内17店舗のうち6店だった販売店舗は、31日には15店に増えていた。品薄から1枚あたり30〜100円ほどに設定されていた販売価格も、最安値で22円に下がっていたという。

 市は「市民に安価で提供する必要がある」と判断。市民による1箱の購入価格を500円値引きし、市の購入価格より安い1枚あたり20円で市民に売る方針に転換した。全て売れた場合、差額分の1600万円が市の持ち出しとなる。

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