6/8(月) 8:06
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Web東奥

毎週、藤代健生病院で行われている依存者リハビリプログラム。参加者は「家にいるストレスで酒量が増えてしまった」など正直な思いを打ち明ける

 新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛の影響で、青森県内では、自宅での飲酒量が増えたため心身の健康を害して精神科病院を受診するケースが出ている。弘前市の藤代健生病院でもこうした理由による受診者が3月以降、増えているといい、担当医師は「健康を維持するためには、もとの生活のリズムを崩さないことが大切。人との距離を取りながらも、心のつながりを保つことが依存症予防につながる」と話す。

 「家であまりすることもないので、つい酒に手を出してしまう」「4月以降、断酒が途切れ、飲酒量が多くなった」

 同病院の外来には、コロナウイルスの問題が深刻化した3月以降、このような訴えで受診する人がいるという。担当の坂本隆医師は「一般の人も、昼から飲酒する習慣ができてしまうと、生活習慣病のリスクが大きくなり、アルコール依存となる恐れがある」と警鐘を鳴らす。

 一般的に生活習慣病のリスクを増やさないアルコールの量は、成人男性の場合は、1日40グラム(日本酒2合、ビール・発泡酒500ミリリットル2本、ウイスキーダブル2杯120ミリリットル)未満、女性はその半分と言われている。坂本医師はその量を超えないように、普段の生活のリズムを保ちながら、飲酒する時間帯を決めることが大切と話す。

 飲酒量が増えた一般の人がいる一方で、すでにアルコール依存症と診断された患者にもコロナの影響は及んでいる。全国的に、自助グループや断酒会の会場が感染防止のため使用中止となり、例会を開催できない事例も出ている。他県ではインターネットによる例会を開催しているケースもある。「孤独感が原因で多量飲酒になることもある。ネットなどを活用し、心のつながりを絶やさない工夫が大切」と坂本医師は言う。

 藤代健生病院では、依存症治療者のため毎週、定期的に勉強会やミーティングを実施。患者が、近況や体の調子を自由に語り、励まし合い、ストレスを解消している。

 同病院リハビリテーション部の山本浩司主任代行(作業療法士)は「ストレスをため込まない物の考え方を身につけることが、依存症にならない効果的な方法」と話す。

https://news.yahoo.co.jp/articles/80dda5213c99d02680d33f389c9c2a4cf3651086