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原書房『ヒトラーの遺言』(記録者マルチン・ボルマン)

「我々にとって日本は、いかなる時でも友人であり、そして盟邦でいてくれるであろう。
この戦争の中で我々は、日本を高く評価するとともに、いよいよますます尊敬することを学んだ。
この共同の戦いを通して、日本と我々との関係は更に密接な、そして堅固なものとなるであろう。

日本がただちに、我々とともに対ソビエト戦に介入してくれなかったのは、確かに残念なことである。
それが実現していたならば、スターリンの軍隊は、今この瞬間にブレスラウを包囲してはいなかったで
あろうし、ソビエト軍はブダペストには来ていなかったであろう。我々両国は共同して、1941年の
冬がくる前にボルシェビズムを殲滅していたであろうから、ルーズベルトとしては、これらの敵国
(ドイツと日本)と事を構えないように気をつけることは容易ではなかったであろう。

他面において人々は、既に1940年に、すなわちフランスが敗北した直後に、日本がシンガポールを
占領しなかったことを残念に思うだろう。合衆国は、大統領選挙の真っ最中だったために、事を起こすことは
不可能であった。その当時にも、この戦争の転機は存在していたのである。さもあらばあれ、我々と日本との
運命共同体は存続するであろう。我々は一緒に勝つか、それとも、ともどもに亡ぶかである。運命がまず我々
(ドイツ)を殲滅してしまうとすれば、ロシア人が“アジア人の連帯”という神話を日本に対して今後も長く
堅持するであろうとは、私にはまず考えられない。」 (1945年2月18日 ベルリン)