2020年6月15日 17:19
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO60361030V10C20A6MM8000

【ロンドン=篠崎健太】英石油大手BPは15日、2020年4〜6月期に最大175億ドル(約1兆9千億円)の減損損失を計上する見通しだと発表した。新型コロナウイルスのまん延を受けて、原油需要の長期的な停滞を想定する。低炭素社会への移行も勢いづくとみて、既存の資産価値の抜本的な洗い直しに踏み切る。

BPは声明で、新型コロナで「エネルギー需要は継続して弱まる可能性がある」との見通しを示した。世界経済に長期で影響を与えると想定し、コロナ後には「低炭素の経済やエネルギーシステムへの移行が加速する期待は高まっている」とも指摘した。2050年までを見通して構造改革を進めるという。

この結果、石油関連の設備を中心に、8月4日に発表予定の4〜6月期決算で計130億〜175億ドルの減損や、無形資産の償却費用が生じる見通しだ。

BPは8日には、全従業員の15%近くにあたる約1万人を削減する方針も明らかにしていた。