自民党の二階俊博幹事長(81)は15日の記者会見で、同党の内規で定める衆院比例代表候補の「73歳定年制」について、「年齢制限より選挙に勝つことの方が大事ではないですか」と述べ、党内のベテラン議員有志による定年制の見直し要請に賛同する考えを示した。

 二階氏は「上の年齢なんてとやかく言うべきじゃなくて、(誰を当選させるかは)選挙民の皆さんがお決めになること」だと指摘。党青年局が見直しに反対していることについては「青年局もやがて73歳を超える時もあるでしょうから。その時のことも考えてご発言されているのか聞いてみたい」と述べた。

 一方、岸田文雄政調会長(62)は同日の記者会見で「衆院比例は定年制を設けることで、選挙区基盤の弱い若手とか、多様な人材に、より大きなチャンスを与えるという趣旨で設けられていると理解している」と発言。「私は衆院の比例に定年制を設けることについては意味があると思っている」とした。

 定年制の見直しは、衛藤征士郎元衆院副議長(79)ら党内の70歳代議員有志が12日、二階氏らに要請書を手渡す形で申し入れた。要請書には「人生100年時代」などの政府方針に触れ、「次期衆院選では候補者の年齢を問わず、小選挙区と比例代表の重複立候補者として同一に位置付けるべきだ」とし、「あえて若手の候補者に一言申し上げたい。高齢者の高き志に対し、果敢に挑戦し圧倒する意気込みと迫力をみせてほしい」とも記していた。【野間口陽、飼手勇介】

毎日新聞2020年6月16日 06時30分(最終更新 6月16日 06時30分)
https://mainichi.jp/articles/20200615/k00/00m/010/263000c