★★弾道弾と極超音速滑空弾(Hyptersonic glide vehicle)):よくある質問★★

問)最近「滑空弾があるからミサイル防衛システムが役にたたないニダ!」なんていう人がいるけど本当なの?

答)何もしらないでしゃべっているだけなので無視で問題ありません。
  2018年にプーチンがはったりで発表した「ロシアの最新軍事技術」の中の一つにあったというだけです
  (アヴァンガールド)。

問)でも少しは現実性があるから発表したんじゃない?

答)仮に現実となったとしてもそれほど警戒するほどではないと思います。
  軌道をかえる弾道弾というのは1960年代からありMARV(maneuverable re‐entry vehicle)
  と呼ばれていました。あまり開発が進んでいませんでしたが、最近少し進んだようです。

問)それなら問題じゃない?

答)「速度が遅い」という致命的欠陥があります。通常の弾道弾の再突入速度はマッハ20位(秒速6km)で
  この速度が対応を難しくしていました。それに対抗して出来たのがSM-3やPAC3といった弾道弾防衛兵器です。
  滑空弾は軌道を変えるのですが、その速度だと姿勢制御が難しくやら狙った軌道に乗らないので
  かなり速度を落とします。防衛省で研究しているそれでもマッハ5程度なのでおそらくそんなものでしょう。
  通常の対空ミサイルで対処できる速度ですね。

問)そんな問題があったんだ

答)たとえて言えば、剛速球の球とやまなりのカーブのどちらが打ちやすいか?という問題です。
  剛速球はねらいどころは分かるが振り遅れる、やまなりカーブは軌道は読みにくいが
  遅いのでヒットしやすい。それほど脅威ではないことがわかると思います。

【参考】『軍事研究』(2020年07月号、「ロシアのアヴァンガールドは迎撃不可能か?」)