河野太郎防衛相が地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の計画停止を決めたことを受け、陸上自衛隊出身の村井嘉浩宮城県知事は22日の定例記者会見で「常識的に考えられないような判断だ」と古巣のトップに苦言を呈した。(22面に関連記事)

 地上イージスは住宅街に近い秋田市の陸自新屋演習場を候補地に議論が進んだが、迎撃ミサイルのブースターが安全に切り離せない技術的な問題を理由に、事実上白紙に戻った。

 村井知事は「大変驚いている。秋田県民も動揺しただろう」と推し量り、「計画をやめるのは、それなりの理由があると思う」との見方を示した。

 計画を巡っては、調査報告書のミスが相次ぎ発覚、住民説明会で職員が居眠りするなど防衛省の軽率な対応が際立った。村井知事は「信頼性に欠ける。情報をよく取った上で導入する、しないを判断してほしい」と注文した。

河北新報 2020年06月23日 火曜日
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