日本銀行が25日発表した2020年1〜3月期の資金循環統計(速報)によると、3月末時点で個人(家計部門)が保有する「現金・預金」は前年比2・1%増の1000兆円と、年度末として最高だった。

 一方、個人の金融資産残高の合計は前年比0・5%減の1845兆円だった。年度末としてはリーマン・ショック直後の08年度末以来、11年ぶりの減少となった。新型コロナウイルスの影響で株価が下落し、株式などの金融資産の評価額が下がった。


 個人の現金・預金保有額は、過去最高となった19年12月末時点(1008兆円)からはやや減少したものの、金融資産全体の54・2%を占め、個人の現金保有や貯蓄への志向が根強いことを示した。現金は前年比で1・5%増の94兆円、預金は2・2%増の906兆円だった。「株式等」は11・9%減、「投資信託」が11・7%減だった。

 金融機関を除く民間企業の金融資産は2・1%減の1167兆円だった。「株式等」が10・6%減少した。

 国債の保有者の内訳では、大規模な金融緩和策の一環で国債を買い入れている日本銀行が2・8%増の499兆円となった。国債残高(1131兆円)に占める日銀の保有割合は44・2%となり、過去最高を更新した。

2020/06/25 14:59
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