新型コロナウイルスで打撃を受けた飲食店を支援しようと、
兵庫県姫路市が官民一体で企画したプレミアム付きチケットに想定外の事態が生じている。

市民らが応援したい飲食店のチケットを購入すれば4割分が上乗せされ、
店舗側には上乗せ分を含めた代金が先払いされる仕組みだが、これが思わぬ“落とし穴”となった。
先払いの恩恵にあずかる狙いからか、複数の店舗関係者が自店のチケットを購入しており、市が対応に乗り出している。

コロナ禍で時短営業や自粛を余儀なくされた飲食店は、売り上げが軒並み減った。
後遺症も長引く中、市と地元企業が合同で企画したのが「姫路の飲食店を応援しよう!プロジェクト」だった。

チケットは2億円分を用意し、上乗せ分となる8千万円は市が公費で負担。
企業側でつくる実行委員会が13日に販売を始めたところ申し込みが相次ぎ、
初日で7千万円分が売れたため、いったん受け付けを中断した。
19日に再開するとさらに殺到し、30分足らずでまたも7千万円分が売れた。

ただ関係者によると、両日とも店舗の代表者と購入者が一致するケースがあり、
25日時点で少なくとも十数店舗が確認されている。
これらの店舗による全体の購入額は不明だが、中には「突出して金額が大きいケースもあった」とする。

実行委に対し「客に頼まれて購入した」と説明する経営者もいたが、
市は「市民が店舗を応援するための企画で、店舗関係者は控えてほしい」とし、実行委を通じて該当店舗に購入の取り消しを要請。
求めに応じ、チケットをキャンセルした飲食店もあるという。

申し込みの集中に加え、本来の趣旨とは異なる事態が生じたこともあり、市は販売再開の予定を当初の26日から延期。
7月12日まで先送りし、仕組みを再検討する。

写真:先払いチケットの購入を受け付ける「姫路の飲食店を応援しよう!プロジェクト」のホームページ
https://i.kobe-np.co.jp/news/sougou/202006/img/b_13456117.jpg

以下ソース:神戸新聞 2020/6/25 22:45
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202006/0013456116.shtml