北海道小樽市は25日、新たに6人が新型コロナウイルスに感染していたことが分かったと発表した。いずれも24日にクラスター(感染集団)と認定された「昼カラオケ」ができる飲食店(小樽市花園)を利用した客の濃厚接触者で、ほかのカラオケができる店の経営者も含まれていた。同市の感染者は2日間で15人となり、市では危機感を強めている。道内ではこの日、小樽市以外で感染者の発表はなかった。

 ■別店舗経営者も

 市によると、新たに感染が確認されたのは、いずれも小樽市に住む60歳代の男性と女性、70歳代の男性と女性2人、年齢・性別非公表の1人。このうち、クラスターに認定されたのと別の飲食店(同)を営む70歳代男性と60歳代女性の2人は、24日に感染が判明した60歳代女性を客として受け入れていたという。

 これらの2軒の飲食店から提出された客の名簿は計約80人に上るといい、市はほかに感染者がいないか調査を進めている。

 ■利用施設閉館

 一方、24日に発表された感染者9人のうち2人が19日に銭函市民センターで英語教室を受講したことが判明。ほかに参加していた講師と生徒を濃厚接触者として調べている。これを受け、小樽市は25日夕から同センターの利用を中止。来月3日まで閉館して消毒することになった。

 記者会見した迫俊哉市長は「今後の感染拡大を想定して、病床や検査体制の確保に努めたい」と述べた。クラスター発生店については「利用者の感染経路がある程度把握されている」とし、現時点では店名を公表しない考えを改めて示した。

札幌の感染者7割「昼カラ関連」
 札幌市内では昼間にカラオケを楽しむ喫茶店などで感染が相次ぎ、市内3店舗でクラスター(感染集団)が発生した。札幌市は、6月に入って確認された感染者87人のうち、「昼カラオケ」の利用客や従業員は45人、その家族らは14人に上り、6月の感染者の約7割が「昼カラオケ」に関連していたことを明らかにした。

 ただ、クラスターが発生していた勤医協中央病院(東区)では23日に終息した。同日、市内では78日ぶりに感染者が確認されず、25日もゼロだった。札幌市の秋元克広市長は、25日の定例記者会見で、市内の感染状況が落ち着いてきているという認識を示した。

 一方で、秋元市長は「往来自粛が解除された今月19日から2週間後となる7月上旬以降の状況を注視しなければならない」と話した。

 また、入所者や職員計92人の感染者を出し、道内最大のクラスターとなった札幌市北区の介護老人保健施設「茨戸アカシアハイツ」に関しては、秋元市長は「他の施設での再発を防ぐため、医師などの協力を得て、早期の検証を指示している」と述べた。

 同施設には5月16日から、診療、介護、感染管理などを総括的にチェックし、感染拡大防止に努めるため、現地対策本部を設置していたが、施設内で療養中の感染者全員の陰性が確認され、施設の消毒が完了したとして、今月22日に本部を解散した。しかし、医療機関で入院中の入所者の中にまだ陽性の感染者がいるとして、クラスターが終息したという判断はされていない。

 隣接する「茨戸デイケアセンター」についても、ハイツと併せて感染経路などを追っていることから終息の発表はされていない。

読売新聞 2020/06/26 07:42
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200626-OYT1T50131/