6/27(土) 8:30配信
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世界最小の恐竜の卵の化石「ヒメウーリサス・ムラカミイ」=県立人と自然の博物館(撮影・秋山亮太)

 兵庫県丹波市山南町の篠山層群で見つかった世界最小となる恐竜の卵の化石などが26日、同県三田市の兵庫県立人と自然の博物館で報道陣に公開された。過去の発見も含め、同じ場所から世界最多の恐竜の卵殻化石6種類が確認され、有数の繁殖地だった可能性もあるという。14年前の丹波竜に続く発見に、発掘に携わった住民も喜びの声を上げた。

【写真】丹波竜発見者の一人である地元住民の村上茂さん

 この日公開されたのは、世界最小の恐竜の卵を含めた化石4種8点。いずれも、2006年に国内最大級とされる丹波竜の化石が発掘された現場近くで、前期白亜紀(約1億1千万年前)の地層から出た。

 世界最小の卵化石は長さ4・5センチ、幅2センチ。ウズラの卵ほどの大きさで、重さは推定約10グラム。断面や形、大きさから、世界最小の「新卵属・新卵種」と断定されたが、かえった後の恐竜の大きさは不明という。筑波大の田中康平助教(34)=古脊椎動物学=は「非常に好まれる巣作りの場であり、繁殖の研究にもつながる」と意義を語る。

 丹波竜に続く世界的な発見は、地元住民の努力に支えられたものでもあった。

 県は12年に丹波竜の発掘調査を中止したが、丹波竜発見者の一人である地元住民の村上茂さん(75)は諦めなかった。「丹波竜の友だちを探そう」を合言葉に、地元有志と化石調査隊を結成。14年からこつこつと発掘し続けた。15年に化石らしきものを見つけたことが、19年1〜3月の県の大規模調査による今回の発見につながった。

 世界最小の卵化石は村上さんの名前から「ヒメウーリサス(かわいい卵の化石)・ムラカミイ」と名付けられた。村上さんは定年退職を機に大阪から故郷へ戻った。実は恐竜が好きではないというが、町おこしとして携わってきた。「私や町にとってはとても価値がある発見。卵のそばには必ず親もいるはず。絶対に掘り当てたい」と村上さん。今後も掘り続けるつもりだ。

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 人と自然の博物館では30日〜8月31日、今回発掘された卵殻化石8点などを展示する。

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