0001蚤の市 ★
2020/06/28(日) 09:10:49.01ID:Z5JUxvm0911月の米大統領選の結果は、言うまでもなく、多数の要因が絡み合って決まる。その意味で、予測は難しい。候補者の支持率についての世論調査もあてにならないことがある。すっきりした説明は、どこか怪しげだ。
ただ、これだけは言える。経験的に言えば、国民の22%を占めるカトリック教徒の過半が「選好した」候補は大統領になり、逆に、かれらが「見限った」候補は大統領になっていない、と。つまり、カトリック教徒の選好ぶりと選挙結果は、ある程度つながりがあると言うことだ。(文明論考家、元駐バチカン大使=上野景文)
より具体的に言おう。
この20年間に実施された5回の大統領選では、カトリック票の過半は、2000年(ブッシュ候補がゴア候補に勝利)を除き、常に「勝ち馬」を支持して来た。
すなわち、2004年には52%が共和党のブッシュ候補を、2008年には54%が民主党のオバマ候補を、2016年には52%が共和党のトランプ候補を支持し(クリントン候補支持は45%)、勝利を支えた。カトリック票の過半を集めながら、選挙で敗北した事例は、2000年を除き、ない(表1)。
その意味で、カトリック票は、大統領選の結果を支配する「キャスチングボート」的役割を担っているように見える(あくまで、見えると言うことに過ぎないが)。「ベンチマーク」的と言うことだ。
もちろん、米国のカトリック教徒は多様であり、決して一枚岩ではない。つまり、「ひとつの意思」で動いている訳ではなく、バラバラな集団である。保守、リベラルの間の「綱引き」もある。が、かれらの票の過半を取り込めた候補は当選し、取り込めなかった候補は敗れると言うジンクスがあることは、見逃がせない。因果関係に基づく法則と言えるようなものでは全くないが、経験知ではある。
ちなみに、2016年にカトリック教徒はクリントン候補を「見限った」(支持率45%)が、この数字は、歴代民主党候補者の中で最低であった。同性婚、LGBTなどの活動家が多いクリントン陣営へのカトリック保守層の反発が強かったことの反映と解される。もしクリントン候補が2008年のオバマ同様カトリック票の54%を獲得していたら、数の遊びになるが、勝利したものと想定される。
もう1点、補足する。私が、カトリックより人口比率が高いプロテスタント諸派(人口の52%)の票でなく、カトリック票(同22%)に着目するのはなぜか、との疑問があり得よう。もっともな疑問だ。
が、あの福音派を含むプロテスタント諸派の54―59%はこの20年一貫して共和党候補者を支持して来ており、その姿勢には揺らぎがない。と言うことは、かれらは米国全体の姿を映し出してはいない、と言うことだ。
これに対し、カトリック教徒の構成を見ると、人種、学歴、職業、所得、宗教心の濃淡などの観点から見て、米国全体の姿を色濃く反映していると言われている。「米国の縮図」と言う訳だ。この20年間、カトリック票は、民主・共和両党間の往復を繰り返して来た(スウィング票)が、それは米国人全体の姿を映し出したものなのだ。
カトリック系の人たちの選好の行方が選挙の勝敗につながるのは、そういった背景による。
では、現状はどうか。統計機構によりデータに食い違いがあるが、ピュー・リサーチ・センター、PRRIなどのデータを参考に再整理すれば、この3年間におけるカトリック教徒によるトランプ支持率は、およそ以下のようなものであった(表2)。
既述のように、2016年の選挙で、トランプ候補はカトリック票の52%を集めたが、これは、クリントン候補の不人気(白人層に限れば何と37%しか集められなかった)に助けられたものであり、「出来過ぎ」であった。
本来の実力は、表にあるように、36―37%と言ったところかも知れない。ただ、白人層に限って言えば5割内外の支持がある。このことは、トランプ陣営から見ると、今後に望みをつなげる要素と言えよう。
ところが、この6月に入ると、事態は急展開を見せた。
すなわち、コロナ禍の改善が進まないこと、経済の低迷に加え、5月25日の黒人男性ジョージ・フロイドさん殺害事件が全米規模の抗議活動に拡大したことなどを反映してか(以下ソースで)
全国新聞ネット 2020/6/28 07:00 (JST)
https://www.47news.jp/47reporters/4956912.html