橋本 宗明
日経ビジネス編集委員 日経バイオテク編集委員
2020年6月29日

 楽天メディカルジャパン(東京・世田谷、虎石貴社長)が、光免疫療法に用いる新しいタイプの抗がん剤ASP-1929を2020年3月に、日本で製造販売承認申請していたことを発表した。適応は再発頭頸部がんだ。同社は、楽天の三木谷浩史会長兼社長が会長兼CEO(最高経営責任者)を務める楽天メディカル(米カリフォルニア州)の日本法人である。




楽天メディカルの事業戦略説明会に出席した楽天の三木谷浩史会長兼社長(中央)
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 ASP-1929は、がんに多く見られる上皮成長因子受容体(EGFR)というたんぱく質に結合するセツキシマブという抗体医薬に、IR700という色素を結合した医薬品だ。

 ASP-1929の抗体部分ががん組織にあるEGFRに結合したところで、690nmの波長の光を当てると、IR700が毒性を発揮してがん細胞を殺す。その際に、がん細胞から漏れ出した成分により免疫も増強するので、長期間抗腫瘍効果を発揮すると考えられるという。

 楽天メディカルジャパンは光を照射するレーザー照射用の医療機器についても、3月に製造販売承認申請している。光感受性物質を特定の細胞に選択的に運び、光の照射により細胞を壊死(えし)させる治療技術を同社は「イルミノックス」と称している。





国際共同治験を実施、目標患者数は275例
     ===== 後略 =====
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