6/29(月) 19:51
産経新聞
 
 世界遺産・金閣寺(鹿苑寺、京都市北区)が敷地内で行った工事は文化財保護法に反するとして、京都市埋蔵文化財研究所の研究員が29日、原状回復させるよう文化庁に申し立てたことを明らかにした。申し立ては同日付。

 会見した東洋一氏によると、工事が行われたのは同寺の敷地東側の約40メートル四方の土が盛り上がった場所。室町幕府3代将軍・足利義満が建てたとされる七重塔「北山大塔」の土台があった可能性が指摘されており、平成27年には現場の北西約20メートルで塔の先端の装飾「九輪」の一部が見つかっている。

 東氏は、同寺が平成27〜28年ごろ、文化庁の許可条件に反して現場に石垣や通路を設置したなどと主張、原状回復を求めている。東氏は「寺は北山大塔があった可能性が分かっているのに工事を行い、文化庁も黙認した。文化財を保護するため、警告を発したい」と話した。同寺の担当者は「通知が届いていないので分からない」としている。

 北山大塔は完成目前の応永23(1416)年に落雷によって焼失したとされる。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200629-00000564-san-soci