600以上の河川が流入し、その流域に数千万人が暮らす瀬戸内海。河川を経て、暮らしから出るプラスチックごみが流れ込む。ペットボトルやレジ袋、食品容器……。海岸には様々なプラスチック製品が打ち上げられていた。陸地に囲まれた海は、プラスチックに依存した私たちの社会を映す鏡だ。(杉浦奈実、米山正寛、編集委員・石井徹)

 瀬戸内海から太平洋への流れを妨げるように横たわる愛媛県の佐田岬半島。季節風や波に乗って流れてきたごみが打ち上げられる。

 一般社団法人「E.Cオーシャンズ」の岩田功次代表理事(59)は、船を使わなければ近づけない浜を中心に漂着したごみの回収を続けている。岩田さんと一緒に水陸両用船で浜に上陸した。

 人がほとんど近づかない浜には、何年にもわたって漂着したごみが2メートルほども積み上がっていた。上を歩くと足がずぶりと沈む。多くがプラスチックごみだ。岡山県にしかないスーパーマーケットの名前が記された買い物かごや、九州の地名が書かれたプラスチックコンテナもあった。

 岩田さんは「これはましな方。げっそりしますよ」とため息をついた。

 「瀬戸内海のごみは日本人が捨…(以下有料版で、残り2209文字)

残りの見出し「深さ約5700メートルの海底で見つかったのは…」
「海を漂い、人間に戻ってくる可能性も」

朝日新聞 2020/6/29 19:16
https://www.asahi.com/sp/articles/ASN6P2QMXN6DPLBJ00F.html?iref=sptop_8_08