新潟県教育委員会は、29日の県議会連合委員会で、2023年度以降の募集を停止し、閉校する予定だった佐渡中等教育学校(同県佐渡市)について、一転して閉校決定を先送りし、「あり方を検討する」として、当面存続させる方針を示した。21〜23年度の県立高再編整備計画を巡っては、閉校に対して地元や県議からの反発が湧き起こり、県教委の対応は二転三転。混迷を極めている。【北村秀徳】

 計画は県教委が少子化などの影響を受け、学校・学級数の再編を進めるもの。新潟市立校も含めると、全国に32ある公立中等教育学校のうち7校が県内にあり、いずれも志願倍率の低下が問題となっている。

 連合委で花角英世知事は中等教育学校のあり方について、大学進学実績などで一定の教育成果は出ているとした上で「少子化や小中一貫教育を重視する自治体の増加で、中等教育学校を取り巻く環境は大きく変化している。今後、有識者の意見をうかがう場を設けながら検討したい」と述べた。

 連合委での答弁後、報道陣の取材に応じた稲荷善之教育長は、佐渡中等を当面存続させることにした理由について「津南中等もそうだが、町長、市長から意見をいただき、地域の実情に合わせて検討を重ねた結果の判断」と説明。県教委は今後、有識者会議を立ち上げ、公表した計画内容の見直しを進めるとしている。

毎日新聞2020年6月30日 09時48分(最終更新 6月30日 09時49分)
https://mainichi.jp/articles/20200630/k00/00m/040/023000c