都政への伝言
新宿のビルから見下ろしても分からない 大切な首都の役割とは 猪瀬直樹さん

 副知事、知事として東京都政に6年間関わりました。都の職員は、単なる地方公務員ではなく「首都公務員」です。100点満点じゃなく、120点満点。100点は都民のため、20点は日本のために働いてほしいと思ってきました。

 財政破綻した北海道夕張市を支援したのも、こうした考えからです。副知事になりたての頃、夕張への職員派遣を提案しました。夕張は約300人いた職員が約100人にまで減り、首都公務員としての使命を果たす必要がありました。鈴木直道君(現北海道知事)たちを常駐させるだけでなく、雪かきやメロン農家応援のために職員を次々と送り込みました。

 新宿の立派なビルから見下ろしているだけでは分からないことがあります。夕張では職員が紙ファイルを角が丸くなるまで使っていました。地方の厳しい現状を知ることも大切です。派遣したことで職員の意識改革につながりました。

 東京には優秀な現業部隊がある。2011年の東日本大震災時は…(以下有料版で,残り940文字)

毎日新聞2020年6月30日 12時00分(最終更新 6月30日 12時28分)
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20200629/k00/00m/010/281000c