道後商店街(松山市道後湯之町)の人気者で「チビ」「たま」などと呼ばれていた雄の地域猫が急死していたことが29日までに分かった。
診察した獣医師によると、症状から毒性のある物を口にしたのが原因とみられる。

6年ほど前から愛くるしい姿を見せ、和食店の前などで観光客や地元の子どもらに親しまれていた。
世話していた商店主や住民らは悲しみ、会いにきた観光客も肩を落としている。

主に世話をしていた和食店経営・白鳥隆さん(68)によると、異変があったのは24日。
路地でうずくまっているのを見つけ、名前を呼ぶと起き上がったが、ぐったりしていたため動物病院へ連れて行った。
27日に容体が悪化し、命を落とした。

白鳥さんによると、この猫は、ふらりと店の前に現れ、餌をやると離れなくなった。
店を手伝う長女の浜原陽子さん(49)が自宅で飼っていて、少し前に姿を消した「チビ」にそっくりだったため、同じ名で呼んだ。

「人なつっこくて頭がよかった」と白鳥さん。
近くの店にもよく出入りして餌をもらっていた。
日中は和食店前に置かれたかごの中でくつろいでいることが多く、
観光客や地元の子どもらがなでたり、写真を撮ったりしても嫌がらなかった。
「たま」「にゃん吉」など、いろいろな名で呼ばれていた。

チビは、地域猫の先輩で2018年12月に天寿を全うした雄の「ゴン」とともに商店街の看板猫として知られ、
会員制交流サイト(SNS)やブログなどで広く紹介されていた。
ラーメン店経営・東育史さん(57)は「(急死に)みんながショックを受けている。喪失感が大きい」。

28日、市内のペット霊園で家族や従業員とチビの葬儀を営んだ白鳥さん。
「多くの人を癒やしてくれた。本当に感謝しかない」と悲しみをこらえながら在りし日をしのんだ。

写真:道後商店街の人気者だった猫。「チビ」「たま」などと呼ばれかわいがられていた
https://www.ehime-np.co.jp/media/images/news/20200630/img3c75efa824b1545e.jpeg

以下ソース:愛媛新聞 2020年6月30日(火)
https://www.ehime-np.co.jp/article/news202006300058